昔「ダイの大冒険」という漫画を読んでいたとき、主人公のダイが剣術の稽古を師匠アバンに付けてもらうというコマがありました。
始めての稽古で、アバンは巨大な岩をダイに差し出して、これを今日中に真っ二つにしろと課題話を与えます。ダイは力任せに剣を振るい降ろすので、岩は割れず、剣は真っ二つになる。
それから岩を割るために過酷な稽古が延々続き、ダイは疲れ切って動けなくなるのですが、その頃合いでアバンはダイに再び巨石を用意して、これを真っ二つに割れと指図しました。
疲労困憊のダイはまともに立つこともままならないのですが、「騙されたと思ってやってみなさい」とアバンにそそのかされて剣を振るうと、巨大な岩が真っ二つに割れます。
「人間ムチャクチャ疲れると一番楽な動作をしようとするもんなんです。つまり一番自然な動きですね 君の剣にはムダな動きが多かった。元々君にはこのぐらいの岩を割る力があったんです」
そういうわけで、人間特にあれこれ考えすぎる癖のある人は、肉体も精神も疲れ切っている時の方が自分以外のことで余計なことを考えなくなるので、案外いいたいことややりたいことを素直にできるようになっていいのかもしれません。
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