4月になり、新しく中学・高校に進学した学生さんたちも多いと思います。一般に、吹奏楽を始めたい、続けたいと思う中学生・高校生は、学校の吹奏楽部に所属する場合が多いと思いますが、もう一つの選択肢として「一般の楽団」(市民楽団)の存在を知っておくと良いと思います。
市民楽団は、職業や年齢といった枠を超えて人々が集まり、演奏活動を行う、一般の吹奏楽団です。その種類は、社会人を中心に構成されていたり、学生を中心に構成されていたり、同じ地域に住む人々で構成されていたりと、楽団によって様々な特色があります。
さまざまな団体があるので「地域名 + 吹奏楽団」と言ったワードで、検索をかけてみると良いでしょう。
ここでは学校の吹奏楽部ではなく、一般団体に参加するメリットを、いくつか挙げたいと思います。
1.勉強と両立しやすい
部活動の場合、特にコンクールに熱心な学校だと、練習は毎日、朝・夕の長時間に及ぶ傾向があります。そのため学業が後回しになってしまうこともしばしばです。楽器は続けたい、でも進学の事も考え、学業はおろそかにしたくないと思う人に、市民楽団は向いているでしょう。市民楽団の練習は、おおむね週1日~2日集まって練習することが多く、学業や塾、習い事などが他にある場合も両立がしやすいです。
推薦入試での進学や、難関大学進学、医学部進学などを念頭に置いている場合、常日頃より勉強を習慣とし、時間を確保することが重要になります。「でも吹奏楽は続けたい…」という場合、市民楽団へは心強い選択肢になってくれるでしょう。
2.経験者にアドバイスをもらいやすい
市民楽団では、職業や年齢の垣根を越えて、さまざまな人が集まっています。これも楽団によりますが、初心者からベテランの人まで幅広い経験を持った人が所属している団体もあります。
部活動では、年齢の近い上級生に指導を受ける機会が最も多くなりますが、市民楽団は大学生や社会人も所属していることが多いため、多くの年長者・ベテランの経験者から助言を得ることも出来ます。
3.広い視野を持てる
市民楽団の場合、地域のイベント・演奏会などへ出演する機会も多くあります。学校や学生という枠を超えて、多くの人と触れ合う機会が持てるでしょう。またメンバーも、社会人や大学生、専門学校生など、年齢や職業を問わず、さまざまな経験を積んだ人が所属していることも多いため、人の数だけ音楽の価値観に触れることも出来ます。
部活動に参加し、コンクールや演奏会のために日々技術向上に努めることは素晴らしいことですが、部活動だけが吹奏楽を続ける方法ではありませんし、ましてやコンクールだけが吹奏楽ではありません。音楽や楽器は、生涯続けられる財産となるものです。「吹奏楽は続けたい、でも部活動は忙しすぎるから…」と悩んでいる人には、一般団体という選択肢をお勧めしたいと思います。